案山子とラケット 亜季と珠子の夏休み
(C)「案山子とラケット」製作委員会
東京から転校してきた小田切亜季と島で育った松丘珠子は、共に中学3年生。亜季は、所属していたソフトテニス部で心に傷を負い、東京での母と姉との生活から離れ、別居中の父・雅也の元へやってきた。
そんなこととは知らない珠子は、亜季にソフトテニスを教えてほしいと持ちかける。珠子の熱意に押され、亜季はまたラケットを握ることにした。
しかし村にテニスコートはなく、二人は廃校の荒れた校庭にコートを作ろうとする。その矢先、村役場が廃校を売りに出す計画が持ち上がった。その担当になった役場の青木は東京で挫折して戻ったUターン組。悶々と過ごすなか、亜季と珠子が一生懸命コートを作ろうとしている姿に打たれ、その噂を聞きつけた、島の“仙人”こと八重婆と共に計画を阻止しようとする。
ある日、練習会に参加した二人は、他の人達との実力の差に愕然とする。練習会に来ていた亜季の父の友人で、ソフトテニス実業団でコーチをしている西園寺馨が、落ち込む二人にアドバイスを送る。
村の人達にも協力してもらいコートが完成し、 青木がコーチを買って出て本格的な練習が始まった。周囲の大人たちに支えられ、亜季・珠ペアは初めての試合に臨んだ―。